The Find / Ohmega Watts (’05)

BPMは一つのジャンルや時代のアイデンティティを担う重要な要素である。HIPHOPにおいては（大雑把だが）黎明期から現在に近づくにつれ、テンポがスローダウンしているという事実がある。つまり、今っぽさを表現したいならBPMを落とすべき、ということだ。ただ、本作に収録の曲は比較的BPMが早い。それでも同時代性を微塵も失っていないのはなぜか。ソウルフルなサウンドアプローチに拠るところも大きいが、それ以前にこの作品の持つ質の高さが、時代云々という枠で考察すること自体を無意味にしているのかもしれない。[hiphop]