2004-07-01から1ヶ月間の記事一覧

THE THIRD UNHEARD: CONNECTICUT HIP HOP 1979-1983

ヒップホップ黎明期の音源を集めたコンピ。ヒップホップとは黒人音楽におけるパンクだと勝手に思っているのだが、本盤はその仮定を裏付けるのに充分な説得力を持っている。粗暴で猥雑、アンダーグラウンド然としてエネルギーに満ちた空気感。方法論もさるこ…

1ST BORN SECOND / Bilal (’01)

難解と言われることもあるようだが、確かに妙な雰囲気を持っており、一筋縄では済ませないという気概も垣間見える。しかし取って付けたような奇抜さではない。あくまでその雰囲気は内面から滲み出すものだ。ルーツミュージックの消化の仕方も見事。多彩な声…

BRAINCHILD / Society of Soul (’96)

プロデュース・ユニット、オーガナイズド・ノイズのプロジェクト。ヘビィで芯のあるサウンド。無駄がなく効果的なアレンジと構成。そしてクラシック・ソウルへの愛情と憧憬が存分に表現された楽曲。流石の一言だ。これまで多くのヒットを生んできた彼らだけ…

MIDNIGHT MARAUDERS / A Tribe Called Quest (’93)

他の追随を許さない完成度。サンプル再構築の教本。全く文句の付け所がない。サンプリング主体のヒップホップというと、お手軽なループの上にラップを乗せるスタイルがイメージされる。もちろん、それはヒップホップの文化的視点から言っても正当なものでは…

SHADES / Vanessa Freeman (’04)

Kyoto Jazz Massiveや4Hero、Nathan Hainesなんかにフィーチュアリング・ヴォーカリストとして重用されている。このラインナップからも想像できるが、いわゆるUKクラブ直系のR&B。黒すぎず、適度にオシャレ。彼女の器用さが垣間見える。数曲あるダウンテンポ…

WILD SEED - WILD FLOWER / Dionne Farris (’94)

元アレステッド・ディベロップメント。R&Bとロックが高次元で融合された稀な作品。通常「黒い」と言われる音楽特有の粘り気はレゲエに由来するものと思っているが、ここではそれはほとんど無く、代わりに導入されたロックの要素が大幅に湿度を下げている。派…

S.T. / Nodesha (’03)

歌もラップも雰囲気の出し方も相当うまい。しかし、それよりも制作のJAM&LEWISである。彼らの才能には全く圧倒されるばかり。打ち込み主体なのに、なぜこんなに生々しいのだろう。ダサくなる一歩手前で逆に洒脱に転化させる術は、まさしくマジック。これがセ…

自分の不勉強を棚に上げるようで申し訳ないが、HIPHOPのバックトラックというのは、ループするだけが能じゃないんだなと開眼させられた一枚。非常に手の込んだプロダクションで仮にインストだったとしても全く飽きが来ないだろう。特に音の質感に関して素晴…

ONE IN A MILLION / Aaliyah (’96)

ティンバランドが、例の「チキチキ」系ビートでブレイクするきっかけとなった作品。当時はかなり革新的だったらしいが、8年も経ってから聴いたせいか、個人的にそれほどの衝撃は受けなかった。だからと言って悪いと言うことではない。逆にやたら良いのだ。ア…

SURRENDER TO LOVE / Kindred the Family Soul (’03)

自分にとってフィリーといえば70年代のPIRに他ならないが、最近のR&Bシーンではネオ・フィリーなんて区分けがあるらしく、これはその最右翼だとか。それはともかく、非常に黒く濃い、良質な一枚。夫婦デュオならではの息の合ったヴォーカルも見事。キャッチ…