2003-01-01から1年間の記事一覧

S.T. / Burnier & Cartier (’74)

あのルイス・ボンファの血縁デュオ。アジムスとタンバ・トリオのメンバーが参加。洗練されたコーラス・ワーク、スキャット、軽快なサンバ、アコギ、エレピなど、好きモノ垂涎のキーワード満載。ファンキーではないがグルーヴィー、ソフトなのに衝撃的とはこ…

ジャンル的には一応ジャズとされるが、ジャズ感は希薄で、むしろフリーソウルやメロウソウルとして人気の一枚。1曲目の"Say You Love Me"を嫌いという人はいるんだろうか。この曲だけでも買い。バックはほぼスタッフ。全曲本人作でアホみたいにメロウ。皆と…

デイブ・グルーシン制作。スティーブ・ガッド、エリック・ゲイル、ラルフ・マクドナルド等参加。フリーソウルの人気盤である事からも分かるように、ポップでジャジー。ここにアクのある唱法が乗っかるのがミソ。スムーズな演奏と絡んで程よいアクセントに。[…

デビッド・フォスター制作、バックもほぼフォスター人脈。デビッド・フォスターと聞いて「げっ」と思った人もいるだろう。それを喰わず嫌いと言うのだ。「幻の名盤」のレッテルは伊達じゃない。70年代AORの素晴らしさを味わえるはずだ。適度に黒く、ジャジー…

アフリカンポップスの開放感とジャズの緻密で都会的な雰囲気が、彼女の歌を触媒にして見事な融合をみせている。「触媒」という表現をしてしまったが、もちろん主役はこの歌声。優しいけれど意志が強そうで、でも素朴でどこか弱さも感じさせる、そんな人間的…

RECREATIONS IN JAZZ / Mario Rusca (’76)

黒く美しいイタロ・ジャズ。ジャズが本来持つファンキーでスピリチュアルな部分を十二分に体現している。BlackJazz(レーベル)からの作品と言われても全く疑わないだろう。逆に本当にイタリア人なのか?という疑念が湧くぐらいだ。リフ中心のわかりやすい構…

LIVE 1981 / Faith Pillow (’81)

ほぼ無名のSSW。キャロル・キングやジュディ・ロバーツにも似たジャジーで瑞々しいサウンド。確かに20年前よりも今の時代に合った音ではあるが、それでも、これほど感性溢れる音が当時全く注目されなかったことを考えるにつけ、音楽の質とセールスの関係に懐…

VIVA TIRADO / El Chicano (’70)

チカーノ・ロックの雄として広く知られるバンドだが、本盤はラテン・ジャズである。ま、確かに60sロック的サウンドが聞ける部分も無くは無いが。60sヒット中心のカバーセンスの良さも手伝って、一気に最後まで聴かせる。ユルさと鋭さのバランスが絶妙な一枚…

S.T. / Tommy Stewart (’76)

レアものリイシューにありがちな、使えるのは1曲のみで他はイマイチ…なアルバムでは決して無い。思っていたより全然クオリティが高い。その筋の人には有名な"BUMP AND HUSTLE MUSIC"をはじめ、アルバムを通してメロディアスでグルーヴィなディスコ・ファンク…

SAO PAULO BRASIL / Cesar Mariano & CIA (’77)

ブラジリアン・フュージョン名盤。かなりファンク寄りで、しかもジャジー。この上にブラジル独特の郷愁感がほんのり色を添える。この「ほんのり具合」が絶妙。ブラジル臭くは無いが、間違いなくブラジル。ちなみにエリス・レジーナはセーザルの女房。[jazzfu…

S.T. / Flashlight (’78)

ジャケが酷いことでも有名な盤。しかし、70年代フィリー最後の砦と言われるだけあり、ダイナミズム溢れる楽曲の素晴らしいこと。歌も悪くはないが、やはり最大の聴き所は華々しいストリングスをフィーチュアした、フィリーならではのサウンド・プロダクショ…

S.T. / MASTERMIND (’77)

NY出身のファンクバンドが唯一残した最高にグルーヴィーな一枚。もう、ノリノリです、ノリノリ。こういうポップなファンクは大好きです。また、演奏能力の高さは特筆モノ。このグルーヴは並のバンドじゃ出せません。しかし、当時は全く売れなかったとのこと…

それほど期待していなかっただけに、この強烈なグルーヴには面食らった。演奏はエレクトロ・ハンコック最盛期のメンバー(ハービー・ハンコック、べニー・モウピン、ポール・ジャクソン、アルフォンゾ・ムザーン等)このメンツでスティービー・ワンダーの"As…

S.T. / Black Sugar (’71)

なんと南米ペルーのラテンファンクバンド。ペルーというと、いわゆるフォルクローレな音楽が思い浮かぶが、その辺りの色は皆無。むしろ、洗練された雰囲気で71年の制作という事実すら疑わしくなる。ブラスの迫力、パーカッションの勢い、メロウかつファンキ…

LOVE IS... / Seguida (’71)

ラリー・ハーロウ制作。ラテンロック名盤。テンポは速く、疾走系。結構実験的でファンキーでもある。また、エレピファン感涙の涼しげなローズもたっぷり聴ける。要するに盛りだくさんなのだ。ラテンのアクは割と弱めなのでラテン初心者にもお勧め。[latingro…

ETHIOPIAN KNIGHTS / Donald Byrd (’71)

本盤はミゼル兄弟と組んだ大ヒット"Black Byrd"の前作にあたる。浮遊感があり、良い意味でラフな長尺のジャズファンクが3曲のみという構成。なかなか興味深い。完成度ではミゼル制作作品に及ばないが、黒さやリフの格好良さは引けをとらない。また、エド・グ…

S.T. / Malo (’72)

サンタナの実弟ホルヘ・サンタナ率いるラテンロック軍団。いやはや、もう熱いの熱くないのって、血管切れそう。ここまでくるとロックもラテンもファンクも関係ない。ごった煮だ。リスナーは思考停止し投げやりな開放感を感じることだろう。あ、音楽性がイイ…

S.T. / Yellow Sunshine (’73)

PIRのサブ・レーベル"Gamble"からのリリース。というわけで甘口ソウルかと思いきや、ポップでハードエッジなジャズファンク!これはヤバイ…。ふんだんに使用されたパーカッションとデクスター・ワンセルのシンセがスペイシー。激オススメ。[philly/jazzfunk]

STRUGGLE BUGGY / William Eaton (’77)

"Winelight"の作者と同一人物だろうか。ジャズ系の裏方らしいが詳細は不明。ポップで、なおかつストリートを感じさせる作曲センスはかなりのもの。リチャード・ティー、アンソニー・ジャクソン、スティーブ・ガッド、エリック・ゲイル他お馴染みのセッション…

KALAPANA II / Kalapana (’76)

フリーソウル好きには有名なマッキー・フェアリーを擁したハワイアンAORバンドの代表作。メロウでフリーソウル的な"Love Em"から始まり、ブルース、ボッサ風と幅広く高度な音楽性に唸らされる。正直、ダサい曲もあるが、トータルで見ればやはり名盤といえる…

JUNGLE OBSESSION / Nino Nardini & Roger Roger (’71)

グルーヴィー・ラウンジ?ジャズファンク的な要素も絡ませつつ、スペイシーで似非ラテンなところが何ともラウンジー。チープなエキゾチカが逆にヨーロッパを匂わせる。まさに絶妙のフェイク感だ。ジャズ系ながら分かりやすいフレージングも好感。[lounge/jaz…

S.T. / Bwana (’70)

ブライアン・オーガーがラテンをやったらこんな感じ?オルガンが疾走するラテン・ジャズ・ロック。それなりにロック度は高いものの、同時期のチカーノロックと同じくファンキーな要素も多分にある。後半はスローダウンしてサルサ色が強くなるが、これはこれ…

MULATU OF ETHIOPIA / Mulatu (’72)

エチオピアのヴァイブ奏者。ソウルジャズと言っても差し支えはない。しかし中近東的雰囲気がベースにあるため、一言では言い表せない不思議な魅力が潜んでいる。繰り返し聴くうちにどんどんクセになる。かっこいいけど何か変。非常に面白い。[souljazz/afro]

LA CUNA / Ray Barretto (’79)

サルサ・フュージョン。レイ・バレットは「俺はジャズミュージシャン」宣言をしているくらいなので、クロスオーヴァー的ですっきりと聴けるものが多い。特に本作ではフュージョン的さわやかさが際立つ。スティービー・ワンダーの"Pastime Paradise"のカバー…

COBALT HOUR / Yumi Arai (’75)

実は彼女のアルバムを通して聴くのは初めて。のっけからやられた。1曲目のお洒落なファンクは今のクラブでも充分通用する。そしてかの有名な「卒業写真」。あれ、こんな曲だっけ?ジャジーで洒脱なアレンジはマリーナ・ショウを彷彿とさせる。他曲にはそれほ…

WYNNE JAMMIN’ / Philippe Wynne (’80)

P-FUNKとフィリーの融合、と書くとゲテモノ的サウンドを想像するかもしれないが、意外に正統派ソウル。フィリー調の曲をPの面々が演奏するという、その違和感がいい味になっている。彼の優しい声がPのサウンドと妙にマッチするのが不思議だ。[soul]

Y SU MAQUINA DEL TIEMPO / Cortijo & His Time Machine (’74)

強烈ラテンファンク名盤。コルティーホ、と読む。トライバルなのに聴きやすく、複雑なのにノリやすい。こういう傑作をレビューしようとするとスゴイとかカッコイイとか、そういう形容しか出てこなくなる。左脳が停止してしまうのだ。というわけで、とにかく…

S.T. / Batida (’83)

オランダ発のブラジリアン・フュージョン。全体的に速いBPMでキャッチー。欧州産的なくっきりした音像とフレットレスベースが若干フュージョン色を濃くしているが、基本的にポップな歌モノなのでそれほど気にはならない。構成が凝ってる"Oceans Between Us"…

AFRODISIAC / The Main Ingredient (’73)

10曲中6曲がスティービー・ワンダーのカバー。これだけでも良さが分かると思うが、更にアイズレー・ブラザーズの名曲"Work to Do"をもカバー。これがひときわ素晴らしい。キューバ・グッディングの歌声はスウィートでしかも深みがあるということを再認識した…

DELICATE & JUMPY / Fania All Stars (’76)

わ、ジーン・ペイジだ。冒頭曲を聴いて即座にそう思った。クレジットを見れば果たしてその通りで、つまり彼の特徴的なストリングスが極端なほどにフィーチュアされているのだ。NYサルサの代表的存在でありながら、コテコテ一色じゃないのがこのグループの好…