2006-01-01から1年間の記事一覧

AFRODESIA / LONNIE SMITH (’75)

70年代ジャズにおけるアフリカニズムはちっともリアルではなく、妄想上の暗黒大陸をスピリチュアルな方向性で体現したものがほとんどである。ロニー・スミスの奏でるオルガンは、常に肉感的で泥臭いものだと思っていたが、アフロというテーマを念頭におくだ…

当然のことながらアフロファンクをやる連中は少なからずフェラ・クティの影響下にある。このNomoというバンドも然り。ただし、ANTIBALASなどにみられる模倣感は一切なく、曲によってはシンセと電化カリンバのサウンドで70年代的フューチュアリズムを付加して…

V.A. / DELIC RECORDS PRESENTS NUMBER PIECES (’06)

80年代初頭、エレクトロとかブレイクスとかいわれるパーティ感たっぷりの音楽が存在した。今で言うオールドスクールだが、それは知っての通り紆余曲折を経て現在の主流たるHIPHOPへ進化していく。しかし一方でこの音楽は地下で姿を変えずに生き長らえてもい…

Morning / Amel Larrieux (’06)

歌を生かすにはトラックをシンプルにすることが最も明快で効果がある。ただ、それぞれの音価が高まる分、サウンドデザインのセンスが浮き彫りになる。特に現在の黒人音楽はドラムありきである。ここが甘いと、いくら歌が良くとも現在性は保てない。極限まで…

Hot Pepper / The Impossibles (’75)

なんとタイ発のファンクバンド。日本以外のアジア圏でここまでのクオリティのファンクを演っている連中がいたことに驚く。しかもタイ本国でもかなり人気があったらしい。サウンドは初期 Kool & The Gang に大きな影響を受けたであろう正統派ブラスファンク。…

Expressions 2012 A.U. / Dudley Perkins (’06)

多くの紹介文では、MADLIBらしいラフなファンクに乗っかる愛すべきヘタクソ酔っ払いソング、のような形容をされているが、はたしてこの歌が下手だろうか。ゆるいのは唱法の問題だけで、音程もリズムのタメも問題なし。何よりシンガーとして最も重要な「楽曲…

A Change Is Gonna Come / Leela James (’05)

久しぶりにR&Bを聴いてドーパミンが噴出した。通常、あまりにディープな歌声は聴く人間を選ぶものだが、彼女の場合は射程圏外のリスナーであろうと惹きつけて離さない迫力と魅力に満ちている。曲やアレンジ、トラックの出来も悪くないが、この歌を前にすると…

Donuts / J Dilla (’05)

JayDeeの遺作。紛れも無いソウル・ミュージック。最期の場としてStonesThrowを選んだ必然性を感じる。しかし、スキットだけで構成されたような目まぐるしい展開、ソウルネタのチョップを多用した構築法、粗く、乾いた音像など奇しくも僕の3rdアルバムとの類…

The Find / Ohmega Watts (’05)

BPMは一つのジャンルや時代のアイデンティティを担う重要な要素である。HIPHOPにおいては(大雑把だが)黎明期から現在に近づくにつれ、テンポがスローダウンしているという事実がある。つまり、今っぽさを表現したいならBPMを落とすべき、ということだ。た…

Heavy Heavy Heavy / Geraldo Pino & The Heartbeats

JBよりファンクの洗礼を受け、そしてフェラ・クティにも少なからず影響を与えたというジェラルド・ピノ。60〜70年代のアフリカという地でフェラ・クティに先んじて、これだけのクオリティのアフロファンクを推し進めたことは、もっともっと評価されて然るべき…

My Favourite Letters / Alice Russell (’05)

Bah Samba、Quantic Soul Orchestraのヴォーカリストによるソロ2作目。これはもうジャケの素晴らしさを含めて名盤。多彩な音楽性を秘めたクラブミュージックらしいクラブミュージックだ。シンセのアレンジをはじめ、なかなか個性的なトラック。とはいえR&B的…

Major Malfunction / Keith LeBlanc ('86)

サウンドは86年という時代そのもの。こう書くと悪印象を持つ人もいるかもしれない。しかし、ここまでクールかつ刺激的な音楽は、この音でなければ成し得ない。オールドスクールなブレイクダンス的ビートとインダストリアルで凶暴なサウンド、そして構築美。…