2004-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ON THE CORNER / Miles Davis (’72)

ダンス・ミュージックの醍醐味は、反復性とそれによって引き出される酩酊感にある。その点で、本作は確かにダンスミュージックだ。しかし、このリズムでは踊れない。マイルスは何故このような変態的リズムを選択したのか?様々な憶測が議論されているが、僕…

bxm

デビッドTは歌伴ギターの名手である。それを疑う余地はない。しかし、このサントラを聴いて少々考えが変わった。数曲でバーバラ・メイソンがヴォーカルをとっているが、基本はインスト。にも関わらず彼のプレイは最高に生きており、アルバム全体にとって必要…

bxm

「黒いドラキュラ」で「ブラキュラ」だなんて、ビデオでもみてたら部屋中にB級の匂いが充満しそうだが、音楽は当然スルーできない。ジーン・ペイジといえば甘いストリングスだが、ここでの基本路線はクールで疾走感溢れるファンキーソウル。スウィート以外の…

CAPTAIN FINGERS / Lee Ritenour (’77)

上手すぎるがゆえ敬遠される人がいる。リー・リトナーもその一人。しかし上手すぎて何が悪い?実際、本盤収録のスティービー・ワンダー"Isn't she lovely"のカバーは上手すぎだが充分素晴らしい。聴くべき所が多い盤ではないが、それでも悪くはない。ハーヴ…

QUEM E’ QUEM / Joao Donato (’73)

「奇人」と一言で言っても様々だ。ジョアン・ドナートはどんなタイプの奇人なのか。本盤を聴けば良く分かると思う。そう、どこかマヌケで優しい、浮遊感のある奇人っぷりなのだ。グルーヴィでファンク的なリズム、初めて挑戦したヘタウマヴォーカル、マルコ…

MOVEMENTS / Johnny Harris (’70)

宜保愛子もびっくりの怖すぎジャケ。麻薬中毒患者を描いた映画のサントラということで、とりあえず納得。ストリングスをフィーチュアしたファンキーロックや、ビートルズ、ストーンズ、ドアーズの名曲達の個性的なカバーなど、一筋縄では行かない興味深い内…

bxm

ルール無用、まさにアルティメット。編集したのは誰だか知らないが、作った本人はまさかこんな形で世に出るとは思っていなかっただろう。エレクトリック期のハービー・ハンコックによるサントラだが、本編のフィルムからそのまま録音したのか、音楽はカット…

PILLOW TALK / Sylvia (’71)

メスの匂いを感じさせる、という表現が適切かどうかはともかく、やたらセクシー。いや、単純にエロと言ったほうが的確だろうか。決して高音質とはいえない、こもったサウンドとウィスパーヴォイスの取り合わせもエロに拍車をかける。男性によるエロ・ソウル…

シルヴィア・ストリップリンの在籍で知られる女性グループ唯一のアルバム。プロデュースはロイ・エアーズ。基本的にはシルヴィア・ストリップリンのソロと同じ路線で、ロイ・エアーズらしい80年代初期ファンクが展開される。フリーソウルな雰囲気の7曲目、4…

"STUFF LIKE..."と並ぶ最高傑作。曲構成とアレンジの素晴らしさには言葉が出ない。リオン・ウェアとミニー・リパートンが同時にヴォーカルをとる"My Cherie Amour"やワッツ・プロフェッツのライミングをフィーチュアした曲、トゥーツ・シールマンズの口笛な…

フェラ・クティの実子ということでフェラそのものを期待し過ぎてしまうリスナーによって、ある意味では不幸な境遇に置かれている。しかし音楽に対し客観的なクラブミュージックシーンでは多くのリスペクトがあり、もはやそこにフェラの影はない。本盤はお世…

80年にフェラ・クティとのコラボレート"Music Of Many Colors"を残していることからも明らかだが、ロイ・エアーズはアメリカを代表するアフロビートの継承者である。何も言わずに一曲目を聞いてみよう。あまりにもグルーヴィーであまりにもカッコイイ。収録…

LOVE WILL FIND AWAY / Pharoah Sanders (’78)

これがファロア・サンダース?最初は誰もが驚くはず。時折見せるフリーキーな咆哮は確かに彼のものだが、それにしてもあまりに甘美で都会的だ。ファロアの持つメロウな一面を上手く引き出したノーマン・コナーズの制作手腕に拍手。旧知の仲である彼ならでは…

フィリーでは比較的マイナーな存在か。これは70年から71年に残した録音のベスト盤。初期フィリー独特の、甘さもあるが、イナタイR&Bの匂いも残した雰囲気が非常によろしい。クレジットは無いが演奏も恐らく初期MFSBだろう。フィリーが好きなら間違いなくハマ…

タイトル曲を聴けば分かるように、明らかにエモーションズのフォロアー。しかし、それを差し引いてもダンサー系楽曲の出来は素晴らしい。ポール・ジャクソン、ジェイムス・ギャドソン、 ワー・ワー・ワトソンらの参加にも注目。彼女らはこの後2枚のアルバム…

ジョージ・デュークのプロデュースによるフィリピン女子5人組のアルバム。ソウルというよりソフトロックだが、この瑞々しい歌声にジャンルを持ち出すのは無粋というもの。ボッサ風味もジャジーな感覚もあり、オシャレさんはこういうの大好きだろうなあ。ただ…

RALFI / Ralfi Pagan (’72)

ソウル寄りのラテンというと以前紹介のアグアベージャが思い浮かぶが、本作はより甘く、ミディアム〜スローの耳馴染み良い曲をハイ・テナーで歌う。キャロル・キング"It's too late"のカバーが本盤の音楽性を象徴している。個人的にはもう少しラテン臭さが欲…

このアルバムにはロックを感じる。ストーンズ"Wild Hoses"をカバーしているからではない。ひしひしと伝わってくる何かがあるのだ。パティ・ラベルの叫びとも取れる歌がきりきりと喰いこみ、ゴスペル的コーラスがそれを包み込むと思いきや、リードとともに突…

ガラージ黎明期、フィリー3人組のベスト盤。残念ながら彼女たち自身の魅力は乏しいのだが、曲がとにかくイイ。"Smarty Pants" "Newsy Neighbors" "Dr. Love"どの曲もツボに効きまくり。ポップなメロと最上のグルーヴ。サルソウルの最高の部分が詰まっている…

HOTWAX特攻隊の3枚目。これが最も有名なアルバムだろう。曲はほとんどグレッグ・ペリーとジェネラル・ジョンソン。 "One Monkey〜""Want Ads""Don't Count〜""Stick Up"と、もう名曲揃い。ジャクソン・ファイブにも通じるヤングソウルを堪能できる。若いって…

クラブ・クラシックの"SKIN DO LELE"を収録。日本人だから駄目、などと言うつもりは毛頭ない。しかし、これだけ質の高いブラジル音楽をやられると、さすがに純国産という事実を信じられなくなる。しかも阿川さんの声がキュートで甘いんだ、これがまた。ただ…

正直言って名盤。アイザック・ヘイズってこんなにもプリティな曲を書けるのかと。ソロはドロドロのくせに人の後ろに立つとこれだもの、たまんない。もちろんエモーションズ自身の歌も非の打ち所が無く、素晴らしい。全曲通して捨て曲一切なし。この後の"Unto…

ジーン・ペイジ制作。浮き足立つようなメロウグルーヴ。リオン・ウェア作"If I ever lose this heaven"で昇天。ジョー・サンプル、デビッドT、ワー・ワー・ワトソン、エド・グリーン、ウィルトン・フェルダー、アーニー・ワッツ等。これだけ書き連ねれば充分…

ポップではあるが比較的地味な印象で、突出した曲もない。しかし、なぜか繰り返し聴いてしまう。クルセイダーズの面々による職人的演奏とランディのジャジーで飽きのこない声。この二つが呼応して、絶妙な深みを形成しているのだろう。もちろん、ジョー・サ…